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【Windows11】Defaultプロファイルで新規ユーザー環境をそろえる方法（Sysprep 不使用）

備忘録
2025.11.20

この記事は、
「複数台の Windows PC を同じ初期状態にそろえたい方」や
「マスターPCを作成し、そこから教育用・業務用のPCへ設定を展開したい方」を対象としています。

この記事の内容を参考に行った操作・設定による不具合・トラブルについて、
本サイト運営者は一切の責任を負いません。
必ずバックアップを取った上で、自己判断で実施してください。

Default プロファイルとは？

C:\Users\Default は、Windows が「新しいユーザーを初めて作るときにコピー元として使用するプロファイル」です。

新規ユーザーがログオンすると、Windows は次のようにコピーを行います。

  • C:\Users\Default → C:\Users\新しいユーザー名

そのため、この Default を作り込むことで、
新規ユーザーを「かなり近い環境」で再現することができます。

※この記事内の作業を行うと元のDefaultユーザーには戻せなくなるため、必要であれば元の環境のバックアップも始めに行ってください。

Default に含まれる（＝再現される）主な内容

Default プロファイルに入れた設定や構成のうち、
実際の新規ユーザーに反映されやすいものをまとめると次の通りです。

設定系（NTUSER.DAT により反映）

  • IME の設定（予測変換オン/オフなど）
  • エクスプローラーの表示設定（詳細表示、拡張子の表示など）
  • 既定アプリ
  • タスクバーの一部設定
  • OneDrive などの有効/無効（レジストリ依存）

フォルダ・ファイル

  • デスクトップに置いたファイル・ショートカット
  • ドキュメントやピクチャのフォルダ構成
  • 壁紙（画像ファイルも反映される）
  • ショートカット類全般

その他

  • 資格情報（保存方式により反映する場合あり）
  • エクスプローラーの並び順・表示形式

※100% 完全に再現されるわけではありませんが、工夫すればかなり近い状態にできます。
Microsoftアカウントなどのログイン情報は引き継がれませんので、Microsoft365などを利用している場合は、各PCでサインインする必要があります。

robocopy について（簡単な説明）

Default プロファイルの配布には、Windows 標準のコピーコマンド robocopy を使います。

  • 大量のファイルでも安定してコピーできる
  • 権限・属性を含めてコピーできる
  • ミラーリング（余分なものを削除し、元と同じ構造にそろえる）に向いている

今回はコマンドプロンプトを管理者権限で実行しての作業となります。

1. template ユーザーを作り、環境を整える

Default を直接編集するのではなく、
まずは 「template」 という通常ユーザー（管理者権限あり）を作り、
そこでデスクトップ、フォルダやファイル、スタートメニューピン留め、タスクバー、エクスプローラー、IMEの設定、壁紙、ショートカット配置などを整えます。

この template が、最終的に Default の元になります。

念のため、マスターにするPCではこのユーザーは削除せずに残しておいてください。

環境が整ったら再度ファイルや設定内容などを確認しましょう。他のPCにコピーした後に忘れていた設定があるとすべて初めからやり直しになります。

2.（任意）NAS 資格情報を新規ユーザーに自動反映させたい場合

NAS を使わない場合は、この項目は スキップして次の手順へ進んでください。

NAS を使う場合、Default に直接資格情報を含める方法は不安定なため、

  • 「新規ユーザーが初回ログオンしたときに自動で資格情報を登録する」

という方式が安全です。

以下の値は、ご自身の環境に合わせて置き換えてください。

  • NAS_IP
  • NAS_USER
  • NAS_PASS

(1) C:\NAS_Credential_Setup.bat を作成

メモ帳を起動して「NAS_Credential_Setup.bat」という名前のバッチファイルを作成します。

内容は次の通りです（ANSI で保存）。

@echo off
cmdkey /add:NAS_IP /user:NAS_USER /pass:NAS_PASS

(2) RunOnce に登録（template ユーザーで実行）

reg add "HKCU\Software\Microsoft\Windows\CurrentVersion\RunOnce" /v AddNASCred /t REG_SZ /d "cmd /c C:\NAS_Credential_Setup.bat" /f

これにより、template の NTUSER.DAT に設定が入り、
Default を経由して新規ユーザーに引き継がれます。

3. template をログオフし、管理者ユーザーでログインする

template ユーザーのプロファイルがロックされているとコピーができないため、
必ず 別の管理者アカウント で操作します。

4. template → Default に robocopy でコピーする

管理者権限のコマンドプロンプトで次を実行します。データが少なければ所要時間2分程度

robocopy "C:\Users\template" "C:\Users\Default" /E /MIR /COPYALL /XJ /R:0 /W:0

主な意味：

  • /COPYALL：権限・属性など含めてコピー
  • /MIR：ミラーコピー
  • /XJ：ジャンクション除外
  • /R:0 /W:0：再試行なし

5. Default 内の不要フォルダを整理する

(1) Temp の中身を削除

  • C:\Users\Default\AppData\Local\Temp\
    → 中身をすべて削除

(2) Packages の整理

  • C:\Users\Default\AppData\Local\Packages\
    → 「Microsoft.Windows.StartMenuExperienceHost_***********」だけ残す
    → その他のフォルダは削除する（残すと新規ユーザー作成に失敗する場合あり）

※「*」部分はお使いの環境により異なります。

6. Default を USB にバックアップ（マスターPC）

USB が E: の場合：データが少なければ所要時間5分程度（必ずUSB3.0以降を使用してください）

robocopy "C:\Users\Default" "E:\Default_Backup" /MIR /XJ /R:0 /W:0

7. 他PCの Default に展開する

別PCで、管理者ユーザーとして次を実行します。データが少なければ所要時間5分程度

robocopy "E:\Default_Backup" "C:\Users\Default" /MIR /XJ /R:0 /W:0

その後、新規ユーザーを作成します。

8. 新規ユーザーでの確認（NAS 設定を使った場合）

新規ユーザーでログオン後、次を実行：

cmdkey /list
  • ターゲット: NAS_IP が表示されれば成功です。

反映まで数分かかる場合があります。
もし登録されていなければ、次を手動で実行してください。

cmdkey /add:NAS_IP /user:NAS_USER /pass:NAS_PASS

9. Default 配布で再現できる内容まとめ

設定（NTUSER.DAT 系）

  • IME 設定
  • エクスプローラーの表示設定
  • 右クリックメニュー
  • 既定アプリ
  • タスクバーの一部設定
  • OneDrive などの有効/無効設定

フォルダ・ファイル

  • デスクトップのファイル
  • ドキュメントやピクチャの中のファイル
  • ショートカット配置
  • 壁紙画像
  • 一部の AppData 設定

その他

  • NAS などの資格情報（RunOnce 方式を使用した場合）
  • エクスプローラーの並び順・表示方式

【まとめ】作業の手順だけを一覧化

以下は「説明なしの手順だけ版」です。
印刷などしたい方はこちらを利用してください。

■ Default プロファイル作成手順まとめ

1. template ユーザーを作成し、環境を整える

（スタート、エクスプローラー、IME、壁紙、フォルダ構成など）

2.（任意）NAS を使う場合は以下を実施

(使わない場合は手順 3 へ)

① C:\NAS_Credential_Setup.bat を作成（ANSI）

@echo off
cmdkey /add:NAS_IP /user:NAS_USER /pass:NAS_PASS

② template ユーザーで実行

reg add "HKCU\Software\Microsoft\Windows\CurrentVersion\RunOnce" /v AddNASCred /t REG_SZ /d "cmd /c C:\NAS_Credential_Setup.bat" /f

3. template をログオフし、別の管理者ユーザーでログオン

内容は割愛

4. template → Default にコピー

robocopy "C:\Users\template" "C:\Users\Default" /E /MIR /COPYALL /XJ /R:0 /W:0

5. Default 内を整理

  • Temp 内のファイル削除
    パス→C:\Users\Default\AppData\Local\Temp\
  • Packages →
    Microsoft.Windows.StartMenuExperienceHost_*********** のみ残す
    パス→C:\Users\Default\AppData\Local\Packages\

6. Default を USB にバックアップ

robocopy "C:\Users\Default" "E:\Default_Backup" /MIR /XJ /R:0 /W:0

7. 別PCの Default に展開

robocopy "E:\Default_Backup" "C:\Users\Default" /MIR /XJ /R:0 /W:0

8. 新規ユーザー作成 → ログオン

（NAS を使う場合）反映されない場合は手動で次を実行：

cmdkey /add:NAS_IP /user:NAS_USER /pass:NAS_PASS

以上です。

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